跡地(暫定)

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魔女っこ姉妹のヨヨとネネ感想 ちょっとネタバレあり

 結構いい映画だった。スタッフとかよく分からないけどどことなくおジャ魔女+劇場版デジモン(またはサマーウォーズ)って感じ。デジタルと魔法は冒険映画と親和性が高いですね。独特の世界観を描けるので映像作品と相性抜群。展開はちょっと安直だったけどファミリー系の映画なんてまあこんなもんでしょう。

 この映画、個人的には主人公のキャラクター付けと作品の方向性のマッチングがかなり上手くいっていた印象です。原作がある作品なので、「主人公のキャラクター性を活かして作品を作ることが上手くいっていた」になるのでしょうかね。作品の題名はヨヨとネネですけど、実際の所はヨヨが主人公でネネはサブキャラクターです。このヨヨが少し変わったパーソナリティを持つキャラクターなんですよ。

実年齢は18歳。12年前の戦争で魔法が暴走してしまい12年間氷漬けになっていたため、見た目は当時の6歳のまま。

http://www.majocco.jp/character/ から引用
要するに「見かけは子供、頭脳は大人?」ってアレです。
 アニメキャラって外見に不釣合いなほど大人びていたり、逆に妙に子供っぽかったりするんですけど、ヨヨはそれに「氷漬けになっていたから」という理由がついてるんですよね。ヨヨは作品の序盤では幼女なのですが、途中コチラの世界(僕らが生きてる現実世界)にやってきて外見だけが大きくなります(凍りづけ魔法の影響下から外れて止まっていた時間分成長したって感じでしょうかね)。最初の幼女モードでは子供の外見に不釣合いな大人びたパーソナリティ、途中からの少女モードでは逆に外見よりも子どもじみたパーソナリティ。思春期の少年少女が持つ大人と子供の二面性が外見の変化によって際立っています。さらに一流の魔法使いとしての側面と、こちらの世界には不慣れでテレビに対して「どんな魔法を使ってるの?」と質問するような側面、この両面性がそれを更に際だたせます。徹底して大人でもなく子供でもない少女、少年少女アニメにおける主役の理想系とも言えます。
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敬語が似合わない幼女モード
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外見だけが成長した少女モード

 主人公のヨヨは死んだ人間と生きた人間の境界すら曖昧な魔法世界から、魔法なんて存在しないコチラの世界にやってきた事でコチラのルールに合わせられずに何度か困惑します。そんなヨヨの姿を通して、人が幼児的万能感を乗り越えていかなくてはいけない様子、同時に子供の頃の何でも出来る気持ちを失わずに自分を信じる事の大切さが描かれてました。不思議を扱う作品にとっては王道のテーマですね。このテーマはやっぱ強いです。アニメという夢から現実に帰らなくちゃいけない視聴者の立場ともリンクするのでこのテーマの物語はこちらもグイグイ入り込んでしまいます。消費者の共感を誘えるコンテンツは強い。これ定説。
 主人公は可愛いし世界観は面白おかしいし話はそれなりに纏まっていたしで楽しい映画でした。たまたま深夜にやってたから見たり録画するアニメ映画としてはこんくらいなら大満足って感じですかね。

途中から気づいたんだけど、主人公の声アイカツのいちごちゃんなんですよね。この映画はいちごちゃんが崖登る映画だったのです(違