飲み会と酒という最悪の組み合わせ

　自分は酒が飲める方の人間だ。酒自体はそんなに嫌いじゃない。別に好きでもないが。だが飲み会は嫌いだ。理由はまあ酒が不味くなるからってのと酒を飲んだ状態で変なことを言われるとたまに思考が悪い方向へ向かってしまうからだ。

　酒ってのは結局のところ薬物の一種だ。だからといって酒を飲むことに後ろめたさは感じていない。極論を言えば砂糖やカフェインだって脳に様々な影響をおよぼすのだから、法が認めたアルコールを飲むことに何の後ろめたさもない。ただ酒の力は怖いと思う。酒を飲んだ時の言動を振り返ると、思考のストッパーが緩まるのがハッキリと分かる事がある。

　酒を飲んで平衡感覚を失った頭で言い争いをするのは本当に危険だ。最悪の場合、上司や部下と不本意な形で拳を交える羽目にすらなる。自分は幸いまだそこまでいった事はないが、相手に対して言いすぎてしまったり、相手の言葉を悪い受け止め方をしてしまったりと小さな失敗はいくつも積み重ねている。二日酔いの頭でグラグラと昨日の失態を思い出すのはもうコリゴリだ。

　酒ってのはやっぱり一人で飲むものだ。一人で飲む酒は美味い。酔い方のペースも自分で決められる。相手の様子をみながら「俺ももう少し酔っておいた方が場に合わせやすくなるな」なんて考えなくていい。酔いたい程度に酔えるようゆったりと酒を流し込んでいけばいい。この穏やかにほろ酔いに向かっていく瞬間こそが、酒の一番の良さだ。余計な情報なんて少しでいい、あとは映画なりテレビなりと炙ったイカでもあれば十分だ。